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雑記館

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変わり者が綴る備忘録。

指揮官先頭

「指揮官先頭 率先垂範」

これは旧日本海軍の将たる軍人に叩き込まれた伝統である。

かの日本海海戦の際、東郷平八郎元帥は旗艦である戦艦「三笠」の艦橋甲板に立ち砲弾乱れ飛ぶ激戦の中一歩も動かず、勝利後の甲板にはくっきりと足跡が残っていたという逸話まである。(あくまで逸話である。)

指揮官たるもの、常に前線にて陣頭指揮を執り将兵を鼓舞し一体となり戦い抜くという姿がどれだけ重要なことか。どれだけ兵士の力となることか。

現代においては、指揮官が戦死してしまうリスクを考えれば必ずしも「戦闘行為」の為の理想像とはされていないが…。それでも陣頭指揮の力は大きい。

例えば、会社生活という現代の視点においてもトップが直々に激励すると言うのは大きな力を持つ。たとえば、リコール問題に揺れた米国トヨタを激励して周ったトヨタの豊田社長の演説を聞いて力を得た米国トヨタ社員の姿が記憶に新しい。苦しい局面にあるからこそ、トップの力が試されるし、そんなトップが頑張っている姿を見れば前線の人間達は頑張れるのである。




「指揮官先頭 率先垂範」

さて、私は赤松農林水産大臣に上記の言葉を捧げたい。

現場の兵…現場でがんばっている人たちは指揮官が激励に訪れるだけで力を得ることが出来るのです。指揮官が言葉だけではなく、対策に取り組んでいるという姿を見せるだけでも違うのです。

「私が行くと人が殺到する、現地の迷惑にならない為にも行かない方が良い。」

酷い自己弁護である。確かに極論を言えば、マスコミなど人が殺到すれば、その人がキャリアとなって口蹄疫ウイルスを運搬する可能性はある。しかし、それを言うなら事態がここまで大きくなる前に対策をして被害最小化を果たしてからである。貴方がどうこう言う前にマスコミは殺到している。

そして外遊していても「リアルタイムでメキシコ(外遊先)でも指示は出せる。」と言う。口蹄疫という重大災害に対してまるで片手間に対応するかのような発言。そして「私が1人いなかったとしてもいささかも影響があったとは思いません。」と言う。

これが最高指揮官の姿か…。

あまりにも酷い。酷い。本当に酷い。頭にくる。

…根本的なことを言わせてもらえば、民主党は官僚主導から政治指導へと叫んでいる。だが!これが政治主導の姿なのか!赤松大臣、貴方が言っていることは「私がいなくても官僚が対策をやっている」と言っているのと等しいのですよ!!組織のトップがいなくてどうして動けるのですか!!!


先ごろ、日本のブランド牛の大元である「種牛」(この牛の精子が各地でブランド牛生産の大元となる)を飼育する宮崎県家畜改良事業団でも感染疑いが出た。ここがやられれば、和牛の生産には大ダメージが出ることが必至だ。(宮崎県産の種牛の評価は特に高いらしい。)

伝染病の感染力の為せるわざなので種牛感染が民主党の責任であるとは言わないが、水際対策の遅れが蔓延を招いた可能性は排除できないのもまた事実である…。


被害沈静化がまったく見えない。もう手遅れになりつつあるかもしれない。

なんにせよ、普天間問題といい口蹄疫災厄といい…半年そこらでめちゃくちゃにしてくれてるね民主党政権は。政権担当が初めてだから、なんて言い訳は通用しませんよ。

自民党政権による緩慢な死か、民主党政権によるショック死か。これは去年の八月末に私が言った言葉ですが。これが現実になりつつあるようで全く希望が持てません。
by admiral-fukuchan | 2010-05-17 23:41 | 歴史・国内外情勢

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